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教育 『センター試験』

教育

いじめ・不登校・管理主義・PISA・臨床教育学・子ども理解のカンファレンス・大学入試センター試験・学力低下・AO入試・教科書検定・「慰安婦」問題・家永教科書裁判・歴史修正主義

『センター試験』
             その学力に未来はあるか

谷口典雄・山口和孝
定価2,640円(本体2,400円+税)  A5判並製

低下し続ける高校生の学力。大学入試制度はどうあるべきか。
高校生のほとんどが巻き込まれ、“国民的行事”ともなっている大学入試センター試験。しかし、その下で、高等学校教育は大きくゆがめられ、大学入試センター試験を受けて大学に入学してきた学生の学力は、どんどん摩滅している。これまで、誰も指摘してこなかった大学入試センター試験の実態を、高校進路指導の現場から告発し、大学入試制度の抜本的改革を提言する。

目次
第1章 あの手この手の受験生獲得
  • 大学入学後の学生が抱える問題
  • 学生意識の諸相
  • 対応に苦悩する大学
  • 学力低下を生みだす背景にあるもの
  • ユニバーサル・モデル型へ
  • 大競争市場の中で苦悩する大学経営
  • 大学入試改革政策ではどう対応しようとしているか
  • 大学入試制度をめぐる情勢の質的変化
  • 大学入試制度改革論議のポイント
第2章 高校生の学力低下とその原因――大学入試改革は日本の未来を左右する教育問題である
  • 高校の現場から、高校生の「学び」の深刻な実態を発信する
  • 高校生の学力下の真相
  • 高校生の学力低下の背景
  • 「学力低下」で困るのは誰なのか
  • センター試験の影響の、学力階層による違い
第3章 センター試験の罪状――大学入試史上最悪の“陰の番長”を葬ろう
  • 高校生の学習を歪める“陰の番長”
  • 入試の「教育」機能とセンター試験のタイムラグ
  • 受験産業のデータが語るセンター試験の「5点・10点の重み」
  • センター試験は高校のカリキュラムを狂わせてきた
  • 高校最後の半年の学習をつぶすセンター試験
  • センター試験は高校生の学力をスポイルする
  • そろそろ本気でセンター試験を葬る時だ
第4章 推薦・AO入試で高校教育は自滅する
  • 推薦・AO入試制度
  • 推薦・AO入試のために現場はこうふりまわされている
  • どういう生徒が推薦・AO入試に向かうか
  • 推薦・AO入試は高校生の学力をこのようにスポイルする
第5章 センター試験を解いたこと、ありますか?
  • センター試験「国語」問題の問題点
  • センター試験「地歴・公民」問題の問題点
  • センター試験「数学」問題の問題点
  • センター試験「理科」問題の問題点
  • センター試験「英語」問題の問題点
第6章 大学関係者はこう考えている
  • 大学入試センターとセンター試験
  • 中等教育の理想と理想どころではない大学と……
  • センター試験のあるべき姿
  • 理系学生の英語力と入試
第7章 「獲る入試」から「育てる入試」
  • 「穫る入試」から「育てる入試」へのパラダイムの転換を
  • よい入試・よい入試問題とは?(「育てる入試」とは?)
  • 大状況を変えるということ
  • 具体的提案
  • 制度だけでなく、教育運動として
著者紹介

谷口典雄(たにぐち のりお)

1967年福井県生まれ。京都大学教育学部卒業後、福井県立高校教諭。著書に『これでいいのか大学入試』(共著、大月書店、1998年)がある。

山口和孝(やまぐち かずたか)

1948年広島県生まれ。国際基督教大学大学院後期博士課程満期退学。埼玉大学教育学部教授。主な著書に『新教育課程と道徳教育』(エイデル研究所、1980年)、『子どもの教育と宗教』(青木書店、1998年)、『これでいいのか大学入試』(大月書店、1998年)などがある。