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図書出版 群青社

発達 『人間発達研究の創出と展開』

発達

障害の早期発見・からだの変形・からだの動き(あおむけ・うつぶせ・寝返り・首の座り・四つ這い・這い這い・高這い・座位保持)・低体重・原子反射・近江学園・びわこ学園・発達保障・糸賀一夫・田中昌人

『人間発達研究の創出と展開』
             田中昌人・田中杉恵の仕事をとおして歴史をつなぐ

中村隆一・渡部昭男/編著
定価3,850(本体3,500円+税)  A5判並製275頁

人間はいかに発達しうるのか
近年、慣用句となった感のある「発達」。人間はいかに「発達」しうるのか。人間発達の山脈を登り続けた田中昌人・田中杉恵夫妻。2人の研究・実践は今日にどのように引き継がれているのか。発達保障論の更なる深化を目指す多方面からの論究。発達を学ぶ者、発達の視点を実践に活かそうとする者、必携。

目次
第1部 基本概念
第1章 方法論 〈発達の旅〉のすすめ (立命館大学・中村隆一)
第2章 発達過程把握 発達研究において精神作業過程測定装置が果たした役割 (滋賀大学・松島明日香)
第3章 弁証法 若き日の田中昌人による発達過程研究とその歴史的背景─わが国における発達の弁証法的理解について(日本福祉大学・ 大泉 溥)
第4章 交流 「階層 - 段階理論」における「交流」概念の意義と意味を考える(大阪女子短期大学・ 荒木美知子)
第5章 障害 「階層 - 段階理論」と自閉症スペクトラム研究─田中昌人・田中杉恵は自閉症をどのようにとらえようとしたか( 立命館大学・荒木穂積)
第2部 指導・実践・発達論
第6章 生活指導 発達保障と生活指導─近江学園の生活指導実践からの示唆(北九州大学・ 楠 凡之)
第7章 教育指導 多様な一貫性を保障する─田中昌人の指導論 (滋賀大学・白石恵理子)
第8章 教育評価 発達保障と教育評価 (神戸大学・川地亜弥子)
第9章 自己形成 幼児期から学童期へ─連帯する「自己」形成過程における時間・空間・仲間 (京都府立大学・服部敬子)
第10章 青年期発達 発達を識ってゆくことの意味と意義 (大阪市立大学・西垣順子)
第3部 発達保障の運動と仕組みづくり
第11章 教育運動 すべての障害児の発達と「権利としての障害児教育」( 奈良教育大学・玉村公二彦)
第12章 義務制論争 養護学校義務制をめぐる運動と論争 (立命館大学・武井哲郎)
第13章 大津方式① 「大 津方式」の意義と今日的展開 (大津市立やまびこ園・西原睦子/大津市役所幼児政策課・髙田智行)
第14章 大津方式② 『発達診断と大津方式』から学ぶ (大津市役所・松原巨子)
第4部 発達概念・無償教育の漸進的導入
第15章 発達概念 発達概念の歴史研究 (鹿児島大学・前田晶子)
第16章 無償教育 「無償教育の漸進的導入」の探求( 神戸大学・渡部昭男)
著者紹介

中村隆一(なかむら りゅういち)

1954年、兵庫県生まれ。1973年、京都大学入学。大学卒業後、滋賀県大津市発達相談員。大津市役所退職後、2006年より立命館大学。大津市立やまびこ支援センターで発達相談。2016年現在、立命館大学大学院応用人間科学研究科教授、人間発達研究所所長。主な著書に『障害児の発達と保育』(共著、クリエイツかもがわ、2013年)、『発達の旅 人生最初の10年 旅支度篇』(クリエイツかもがわ、2013年)などがある。

渡部昭男(わたなべ あきお)

1964年、愛媛県に生まれる。1973年、京都大学入学。大学院を経て1982年より鳥取大学、2011年より神戸大学。2016年現在、神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授、鳥取大学名誉教授、人間発達研究所副所長。主な著書に『障害のある青年の自分づくり』(日本標準、2009年)、『地方教育行政法の改定と教育ガバナンス』(共著、三学出版、2015年)などがある。