社会
優生思想・環境協定・情報公開・地域精神医療・治安維持法・パレスチナ・反原子力・ビキニ環礁・日本学術会議・電源開発促進法・原子力委員会・原子力基本法
『優生思想との決別』
山本宣治と歴史に学ぶ
本庄 豊
定価2,200円(本体2,000円+税) 四六判並製228頁
現代優生思想とは何か わかりやすく解説
2019年3月5日。山宣の命日、「山本宣治終焉の地記念プレート」が都内に建立された。暗黒の時代にあって、帝国議会でひとり治安維持法反対の論陣を張り、右翼により暗殺された山宣。帝国議会議員にして生物学者、そして労農運動指導者でもあった彼は、国策による「産めよ増やせ」により疲弊する国民生活の惨状を打開すべく計画出産・産児制限を説いてわまる。そのため、今日においても彼と優生思想を結びつける誤った論調もある。本書は格差を助長するような昨今の動きのなかに今日的優生思想の萌芽を指摘する。
目次
序章 | 「日本すごい」キャンペーン |
第1章 | 杉田水脈論運と『新潮45』休刊 |
第2章 | サンフランシスコ市カストロ地区 |
第3章 | 旧優生保護法下の強制不妊手術 |
第4章 | 優生学を批判した山本宣治 |
第5章 | マーガレット・サンガーと優生学 |
第6章 | 山宣の遺骨を持ち帰った男・山中平治 |
第7章 | 世界最初の原子炉設置反対運動 |
終章 | よみがえる優生思想 |
補章 | 上州の詩人・島田利夫と妙義山米軍基地反対闘争 |
著者紹介
本庄 豊(ほんじょう ゆたか)
群馬県安中市出身。東京都立大学経済学部卒郷。公立中学校(社会科)勤務を経て、立命館中学校・高等学校教員、立命館大学兼任講師。山本宣治を中心とした近代日本社会運動史・移民史などが専門。主な著書に『テロルの時代』(群青社)、『戦争孤児』(新日本出版社)、『魯迅の愛した内山書店』(かもがわ出版)、『なつよ、明日を切り拓け』(群青社)、『パウリスタの風』(群青社)などがある。