社会
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『パレスチナ音楽日記』
阿部真也
定価1,760円(本体1,600円+税) 四六判上製
音楽は「生きるため」の最後の希望だった。若き日本人指揮者の慟哭の日記。
紛争の絶えないパレスチナの地で子どもたちに音楽を教えた一人の若き日本人指揮者がいた。イスラエルによって浸食・包囲された「国土」にあって、自らの肉体と思考する自由以外何ものをも所有しえないパレスチナの人々。「何のために学ぶのか」と問う指揮者に「生きるため」と答える12歳のパレスチナの子ども。慟哭しつつ教えつづけた指揮者は、いつしか子どもたちから教えられていた――。イスラエルによる空爆の下、いのちの危機すら覚えながら綴った日々の記録。
目次
銃に石つぶてで立ち向かう子どもたち | |
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希望(メィルナ・アル・アジード) | |
1 | バレンタインズディ |
2 | 眼差し |
3 | 銃声とヴァイオリン指導 |
4 | 銃撃戦、爆撃…,変わらぬ日常 |
5 | 滞在1週間目 |
6 | 楳の香を嗅ぐ少女とロバの少年 |
7 | 石とマシンガン エドワード・サイード音楽院 |
8 | ベツレヘムで考えたこと |
9 | 「僕たちには何もない」 |
10 | 音を楽しむ |
11 | 音楽を伝えたい! |
音楽院の子どもたち | |
12 | 子どもたちにもっと教えたい…… |
13 | 静かな夜 |
14 | 才能の芽を開かせたい |
15 | つぶされる可能性 |
16 | 諦めることを「学ぶ」子どもたち |
17 | 指揮者/僕は音楽家になりたい(ラムジー・シューマリ) |
18 | 揺れる |
19 | 学ぶこと、生きること |
20 | 再開 |
21 | 週28時間の指導 |
22 | 「今」を演奏する |
23 | スペイン音楽講習会 |
24 | ラマダン明けの戦争ごっこ |
25 | 灰色の靴 |
26 | コンサート |
27 | 雪の日 |
どこであれ存在できる音楽のために(アレスティア。ミットチェル) | |
28 | 僕のやるべきこと |
29 | 音楽人 |
30 | スパイス |
31 | 楽しむための練習 |
32 | 音楽は音を楽しむこと |
33 | オーケストラぼ授業 |
34 | パレスチナに音楽を! |
35 | 終わり、そして始まる |
著者紹介
阿部真也(あべ しんや)
1980年生まれ。幼少よりピアノを、13歳からヴァイオリンを始める。北海道インターナショナルスクール在学中の18歳の春、渡米。2004年、サンフランシスコ音楽院ヴァイオリン・ヴィオラ科修了。2005年11月よりドイツのドレスデンへ移住、オーケストラ奏者、指揮者としての研鑽を積む。2006年、スペイン・コルドバで開催された国際指揮者コンクール3位入賞。その後、ヨーロッパ各地での指揮者セミナー、講習会などで優秀な成績を収め、ディプロマ等を取得。2007年より2009年までエドワードサイード音楽院客員教授に就任。その後も同校に籍を置く傍ら。日本、アメリカ、ドイツを中心にヴァイオリン、ヴィオラ奏者として活躍。指揮者としても客演指揮者として活躍中。音の輪音楽教室主宰。