福祉
障害者施設・生活施設・社会福祉基礎構造改革・グループホーム・障害当事者の結婚・子育て・高齢障害者
『土を耕す』
この施設を人権の砦に
小野隆二
定価2,640円(本体2,400円+税) A5判上製296頁
施設は隔離の場ではない! 一人ひとりに寄り添い暮らしを築く営みの日々。
28万人とも言われるわが国の知的障害者のうち8万数千人は施設で生活をしている。
2001年6月に逝去した著者は、その半生を施設に暮らす障害をもつ人々と歩んだ。施設の条件は半世紀にわたり貧しいままに放置されてきた。そのなかにあって、著者は、自らは語る術をもちにくい人々の心のひだに分け入り、彼等の「同行者」として歩を進めた。
時代の流れのなかにあって制度やシステムが変わることはいたしかたない。重い障害をもつ人々にかかわる人々にそのとき問われることは、そうした変更の先に対象とする人々の生きる姿を投影しうるかということである。
人権とは個々の権利のパッチワークではない。「人生は一度だけだから 勢いっぱい生きて 年月を日々を重ね ほんとうの幸せを手にしよう それは人の権利だから」(小野隆二)
目次
I | 同時代を生きる――高齢の人たちと |
くらしを楽しむ――ホームの仲間たちと | |
みんなで歩む――かけがえのない一人ひとり | |
日々小考 | |
II | 信楽青年寮を訪ねて/あかつき園覚書 |
生活施設における課題 | |
社会福祉基礎構造改革を考える | |
仲間たちと21世紀を迎える |
著者紹介
小野隆二(おの りゅうじ)
1936年、長野県に生まれる。1973年、精神薄弱児通園施設青い鳥学園園長就任。1978年、授産施設あかつき園園長就任。一貫して、地域に開かれた施設づくりを実践する。2001年逝去。著書に『土を耕す』(群青社)、『施設にくらしをきずく』(全障研出版部)がある。